「スマホ連携家電」の実力は

そのうち家電にIPアドレスが振られ、それが当たり前の時代になるとは思ってるんですが、徐々に登場してきてるようですね。
調理機器とか、クラウドなんかをもっと使えば便利そうですよね。
全国の家庭のレシピがクラウドにあって、今日は関東風で〜とか。
冷蔵庫に残ってる食材を検知して、クラウドにあるレシピからこんな料理が出来ますよ〜とか。
現代は冷蔵庫などの一般家電はどの家庭でも当たり前のように設置されている訳ですので、今後は家電にIPアドレスを持たせて通信・共有を行うことによる画期的な製品の登場が望まれると思います。
また、ジョブズ氏の言うようなユーザーが望んでいる、でもユーザー自身にはそれが具体的に分からないような製品が登場すればiPhoneのように爆発的にヒットし、経済的にも良い事だと思います。
ただセキュリティだけ心配ですね。
クラッキングされると家電だけに、PCやスマホより物理的なダメージを受ける事が考えられます。
パッと思いつくのは、家庭のネットワークに侵入して暖房機器などを操作され、火事を起こしたりとか。


レンジ、炊飯器で何ができる? 「スマホ連携家電」の実力


nikkei TRENDYnet 5月18日(金)11時7分配信


 これからの家電のあり方の1つとして「スマートフォン連携」が盛んに言われるようになってきた。シャープは今春行ったテレビの新商品発表会で、スマートフォン向けアプリ「おしえてリモコン」を開発、6月からサービス開始予定と発表した。これはテレビ番組に対するツイッターなどのインターネット上の書き込みや番組で紹介された商品に関する情報にアクセスできるもの。これまでの「スマホをテレビのリモコンにする」レベルを超えた、一歩進んだ連携といえる。


 “黒物デジタル家電”でスマホ連携が徐々に進む一方、ここへ来て白物家電でもパナソニックの炊飯器やスチームオーブンレンジ、シャープのロボット掃除機と、新製品のフラッグシップモデルにスマホ連携機能が搭載されるケースが増えてきた。


 はたして、白物家電の価値を大きく変えるスマホ連携機能はあるのか、“スマホ連携白物家電”元年といえる2012年に発売される3つの新製品を中心に、スマホ連携白物家電の可能性を探っていきたい。


説明書・レシピブック不要のオーブンレンジ


 パナソニックのスチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」といえば、グリル皿の下側にマイクロ波を当てることで食品の下面を加熱、上面は光ヒーターで焼き上げることで上下をこんがりと焼き上げる「焼き物」や「揚げ物」が短時間でできるのが特徴。上段ではヒーターを使った焼き物、下段ではレンジ調理による煮物など、2品同時調理にも定評がある。


 この3つ星ビストロの新製品「NE-R3500」で、同社として初めてスマホ連携機能を搭載した。


 ここで思い出されるのは、シャープのスチームオーブンレンジ「ヘルシオ」だ。2011年7月に発売されたフラッグシップモデルでは赤外線通信機能を搭載し、ケータイの中にある料理写真をヘルシオの液晶画面に転送し、タッチパネルでメニュー名などを登録できる仕組みを提案していた。手書きのメモもケータイで撮影して転送することで便利に使えるとしていたが、「画像転送+タッチパネルへの手書き入力」というだけでは魅力に欠け、「スマホ連携白物家電」というにはあと一歩という感が否めなかった。


 今回、同じオーブンレンジでパナソニックが提案したスマホ連携は一歩進んだ機能で、「使ってみたい」「これは便利」と思わせるものになっている。専用アプリをダウンロードすると取扱説明書やレシピブックの内容がすべてスマホで確認できるうえ、メニュー選びから調理設定までできる。タイトルや食材からレシピを検索すると材料や作り方が表示され、分厚い説明書やレシピブックを手元に持ってくる必要がない。ただし、対応するのはおサイフケータイフェリカ)搭載のAndroidスマホだけだ。


メニュー検索と買い物メモ作成ができ、スマホでタッチすれば設定終了


 NE-R3500のスマホ連携は、メニュー検索や説明書の内容検索にとどまらない。メニューを選んだ後に足りない材料があった場合には、その内容をメールで送ることができる「お買い物メモ」機能もある。自分が買い物しているときに材料確認ができるほか、家族に買い物を依頼するときにも便利。家族とのコミュニケーションにもひと役買いそうだ。


 食材をそろえたらアプリ内の「作り方」を参考に下ごしらえをし、オーブンにセット。本体液晶画面の左にあるスマホマークにスマホをタッチすれば、調理設定が完了する。これまでオーブンの機能や時間などの設定は面倒な作業だったので、瞬時に設定できるのは魅力だ。「説明書いらず+スマホでタッチすればで設定完了」というのは、現段階でのオーブンレンジの使いやすさの理想を具現化したものではないだろうか。


 さらに「マイレシピ登録」機能も搭載されており、自分で作ったオリジナルメニューを材料や作り方、自分で撮った写真とともにスマホのアプリを使って100件まで登録することができる。2011年のヘルシオでも同様の機能「マイヘルシオ」があったが、この入力はヘルシオ側の液晶画面で行う点が異なる。


スマホ連携炊飯器」は便利さを感じにくい


 2012年6月1日に前述の3つ星ビストロと同時発売されるスチームIHジャー炊飯器「SR-SX2」シリーズもスマホ連携機能を搭載しているのが特徴だ。


 スマホ連携はオーブンレンジと同様で、専用アプリをダウンロードするとレシピ検索や炊飯設定ができ、炊飯器本体にタッチするだけで炊飯設定が完了するというもの。米の種類や炊き方、炊き上がり時間のほか、家族の好みや予定に合わせた「我が家流 炊飯予約」が最大6件登録できる。レシピの材料リストの中から必要な材料を選んでメールで送信できる「お買い物メモ」機能もある。


 ただし炊飯器の場合、白米・玄米・分づき米・炊き込みご飯などの炊き分けや、かため・やわらかめなどの食感の違いを選ぶことはあるものの、本体操作がそんなに煩雑ではなく、レシピの種類もそれほど多くはない。そういう意味では、現時点ではそれほど便利になったとはいえないだろう。それよりも「せっかく米をセットしてきたのにスイッチを押し忘れた!」というときにスマホでの遠隔操作でスイッチが入れられるほうが魅力的だと思うのだが…。炊飯器のスマホ連携については次世代機に期待したい。


外出先から室内をチェックできる“ロボット掃除機”


 “自社モデル”として国内大手家電メーカー初の掃除ロボットとなるシャープの「COCOROBO(ココロボ)」。レイトロン社の音声認識エンジンを搭載し、温度や充電量、掃除の状況によって気分が変化する人工知能「ココロエンジン」により、音声で答え、声で操作する機能を備えている。


 基本となる掃除機能は1分間に約1万4000回転する大風量の高速ターボファンを搭載し、2つのサイドブラシと回転ブラシでかき込んだゴミをこのターボファンでしっかりと吸塵する。HEPAクリーンフィルターを通って0.3μm以上のほこりを99.9%カットした排気に高濃度プラズマクラスター7000を乗せて室内に放出される仕組みだ。充電台に戻る際に使われる赤外線センサーのほか、超音波センサーによって障害物を回避するため、透明なガラス壁や黒いものにも強い。


 こうした掃除機能やボイスコミュニケーションのほか、本体には無線LAN機能とカメラが搭載され、スマホとの連携で外出先から室内の様子を確認できるのも大きな特徴だ。スマホからココロボに撮影の指示を出すと、90度ずつ回転しながら4方向の写真を撮影。室内の温度も表示する。


 また、室内ではココロボに搭載されたカメラでホコリのたまっているところを確認しながら、スマホで操作することも可能。また、スマホに話した内容をリアルタイムでココロボがそばにいる相手に「〜って言ってるよ」と伝言する機能も備えている。


 まだスマホ連携機能としては完成されたものとはいえないかもしれないが、なるべく多くの人が使えるように、AndroidスマホだけでなくiPhoneiPadにも対応しているところに“本気”を感じる。


 今後はUSBポートを活用して本体のアップデートも視野に入れているとのこと。例えばスマホで室温を確認し、高すぎるようならペットのためにエアコンや扇風機など空調機器のスイッチ入れるといった使い方ができるのもそう遠い未来ではなさそうだ。


 先述のオーブンレンジとの連携では、使い勝手の向上と買い物メモなどによる家族とのコミュニケーション機能が中心だった。ココロボは、自由に動き回れるという点を生かし、家じゅうの情報を集めてくるという役割を担う点で、スマホ連携の新たな可能性を提示しているように感じる。


(文/神原サリー)