グリベックのジェネリック2

ニュース一覧を見ていたら、お世話になってるノバルティスやグリベックの字があって、思わず採り上げてみました。
これはニュースになる結構前から問題になってて、特許期間中のグリベックジェネリックが存在することを当ブログで書いたこともありました。


http://d.hatena.ne.jp/Shinez/20100311/p1


インドの詳しい社会制度は分からないですが、個人的にはノバルティスの特許が認められないのは残念に思います。
命が関わる薬とはいえ、資本主義のビジネスの中で生まれ、営利企業だからこそ生まれたものです。
感情的になって、命を人質に取られてるかのようにみえる、といった意見も患者側にはあったりしますが、仮に営利企業ではなく国が研究して開発をしようとしても、出来なかったと思います。
社会には役割と長所・短所があって、国の研究は今後どういった利益になるかは分からないけど、何かを発見したりといったことに向いてますが、その成果から合理的に大量生産・安定供給出来るものを開発することには向いてません。
逆に営利企業は大量生産・安定供給に向いています。
ノバルティスのCEOも本で同じことを言っており、当たり前かもしれませんが、元医者とはいっても経営者だなぁと思った記憶があります。
なので、今までの常識を打ち破って病気の治療結果を激的に改善した対価としても、一定期間は儲けれないといけないと思います。
また、結果としてグリベックの場合は成功しましたが、新薬開発にはかなり大きなコストやリスクを伴います。
成功した場合に大きな利益がないと、開発には前向きにならないと思います。
以上のことから、新薬の薬価が高くなってしまうのは、個人的には致し方なく思います。
それを貧しい人も服用出来るような仕組みを構築することが国の仕事だと思います。



新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち

新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち

後発薬大国インド、スイス製薬大手の特許認めず


読売新聞 4月15日(月)7時56分配信


 【ニューデリー=田原徳容】インド最高裁が、スイス製薬大手「ノバルティス」の抗がん剤の特許を認めない判決を下し、波紋が広がっている。


 特許を安易に認めていけば、成分が同じ、より安価な薬の普及を阻害し、貧困層の健康に悪影響を及ぼすとするインドや発展途上国と、特許の侵害は新薬開発の停滞に直結するという欧米の大手製薬会社の主張は平行線をたどるばかりだ。


 特許は各国の特許法に基づき取得の是非が判断される。ノバルティスは2006年、抗がん剤グリベック」の特許申請がインドで却下されたことを不服として提訴。最高裁は今月1日、グリベックは「既存薬の化学構造を変えただけで新薬とは言えない」との高裁判決を支持した。


 同社インド法人のランジット・シャハニ氏は「知的財産権が保障されないインドへの投資には慎重にならざるを得ない」とインドからの撤収もほのめかして不満をあらわにした。


 インド政府やインドのジェネリック医薬品製造会社は、判決を「既存薬と変わらない新薬の特許を取得して、高値で独占販売を続ける欧米流に待ったをかけた」と歓迎する。インドは、年間輸出額100億ドル超と世界トップ級のシェアを誇るジェネリック製薬業界を抱え、05年まで医薬品の特許を認めていなかった。同年、医薬品に一定の特許を認めることを義務づける世界貿易機関WTO)の協定に基づき特許法を改定した後も、特許を認めることに一貫して慎重だ。