アトピー改善の化合物発見

これは朗報ですね。
先月は遺伝学的に解明されたニュースがありましたが、今回は症状を改善する化合物の発見です。
今回のニュースは先月のと違って、防護機能を担うフィラグリンが少ないから生成を促進させる化合物をといった感じで根本から解決といった感じではありませんが、それでもマウスの実験では副作用なく症状が大幅に改善ということで期待出来そうです。
出来れば今後、フィラグリンが少なくなってしまう遺伝学的メカニズムが分かり、それを抑制しているタンパクを阻害する化合物が発見出来たら理想ですね。
何にせよ医療は日進月歩で発展し、病によっては従来治らなかった・進行を食い止めれなかったものが改善されてきています。

アトピー改善の化合物発見 京大などグループ、マウス使い


京都新聞 9月17日(火)10時19分配信


 アトピー性皮膚炎のマウスの症状を改善する化合物を、京都大医学研究科の椛島健治准教授や大塚篤司研究員、アステラス製薬などのグループが発見した。内服することで皮膚が備える防護機能を高め、副作用もみられないという。米学会誌で17日発表する。
 アトピー性皮膚炎は、皮膚の防護機能に異常が生じて異物が侵入しやすくなり、アレルギー反応が起こることで生じる。現在治療に使われているステロイド剤はアレルギー反応を抑えるが、副作用が生じることもあった。
 グループは、防護機能の維持を担うタンパク質「フィラグリン」が多くの患者で少なくなっていることに注目。人の皮膚細胞を使った実験で、フィラグリンの合成量を増やす有機化合物を見つけた。アトピー性皮膚炎のマウスにこの化合物を飲ませたところ、6週間後に症状が大幅に改善、副作用も確認されなかったという。
 椛島准教授は「アトピー性皮膚炎の治療では、(アレルギー反応という)『火』を消すよりも、まず『火』を起こさないことが大切。今回見つけた化合物は、火を防ぐ働きがある。10年後をめどに治療薬として実用化したい」と話している。