複雑な著作権法のおはなし

GLAYが約6億8千万円の不当利得返還と、
楽曲の著作権GLAY側にあることを認める裁判で、
勝訴となったようです。うーん、目出度し目出度し。
GLAYは嫌いじゃないし、良かったです。


でもそれが書きたかったんじゃないんです(笑)
この件で気になったのは、mixiを見ていて、
「音楽を作ってるGLAY著作権があるのは当たり前」のようなコメントが多数あり、
多少は著作権を知ってる僕からしたら、少々違和感ありました。
まぁそりゃ、一般の人がなかなか複雑な著作権法なんて知るはずが無いと思いますが…(笑)


一応基本的には著作権の移転は可能なんですね。譲渡や相続が可能です。
正確に言いますと、著作権というのは著作権法では、
まず著作者人格権財産権の二つがあります。
所謂お金の絡む著作権財産権の方で、こちらは譲渡することが出来ます。
また、著作権法で定められている各権利を、一部だけを譲渡したりすることも出来ます。
著作者人格権は公表権、 氏名表示権、同一性保持権とあるんですが、
こちらは譲渡することが出来ません。
この著作者人格権は金銭的な権利を守るためのものでは無く、
人格権とあるように、創作者の人格を守るためのものです。
ん〜なんて言うんでしょうか、簡単に言えば…
せっかく自分が作った作品を勝手に変えられて公表されたり、
勝手に他人が作ったものとして扱われたら嫌じゃないですか?
そういったことを守るための権利ですね。


この著作権法、ほんと結構複雑だったりして、
例えば僕が「あなたにこの楽曲の著作権を全て譲渡します」って言っても、
実は全ては譲渡されないんですね。
「あなたにこの楽曲の著作権(第27条翻訳権、翻案権等、第28条二次的著作物の利用に関する原著作者の権利を含む)を全て譲渡します」
みたいに言わないと、全部は譲渡されないんですね。
なんだか複雑ですよね(笑)まぁ、これにも理由があるんです。
二次的著作物というのは、
ようは編曲した楽曲だったり映画化したその映画だったりしますが、
二次的著作物というのはそれが将来どういった価値を生むのか予想がつかないために、
単に「あなたに著作権を全て譲渡します」
と言っただけでは譲渡されないように権利が守られてるんですね。


こんな感じで著作権法は結構面倒くさいので、
専門家知ってるなら頼んでしまうのも良いと思います(笑)
しかし、それにしてもあんまりGLAYなエントリーじゃないですね(笑)


「GLAY」印税未払いで勝訴 旧所属会社に6億7千万円支払い命令


10月22日19時24分配信 産経新聞


 印税などの未払いがあったなどとして、人気ロックバンド「GLAY」(グレイ)のメンバーが、以前所属していた「アンリミテッドグループ」(東京都渋谷区)を相手取り、計約6億8千万円の不当利得返還と147曲の著作権を有することの確認を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であった。阿部正幸裁判長はGLAY側に著作権があることを認め、被告側に計約6億7千万円の支払いを命じた。


 GLAY側は、平成17年5月に被告側から独立したが、著作権については引き続き被告側が所有した。同年11月には印税やコンサート出演料などが未払いだとして被告側との著作権譲渡契約も解除した。被告側は「支払いの用意をしていたのに、一方的に著作権譲渡契約を解除された」としてGLAY側の解除権濫用を主張していた。


 阿部裁判長は、「被告側は未払い分を支払おうと思えば支払えたのに、支払いを怠った。解除権の濫用にはあたらない」として、GLAY側に著作権があることを認めた。その上で、GLAY側の主張する未払い額をほぼ認容した。


(Yahoo!ニュース)