国債は自殺行為?

まだこんな記事があるのが悲しいです。。
煽ってるだけかな?もし素でこんな記事書いてるのなら…うーん。
また残念なのが、この記事を真に受けてしまってる人がいるのもまた悲しい。
因みに、ハイパーインフレが起こったジンバブエでさえ破綻はしてないんですよ。



国債を刷れ!「国の借金は税金で返せ」のウソ

国債を刷れ!「国の借金は税金で返せ」のウソ

国債を斬る! 〜莫大な借金を抱えているという話をよく耳にするけど大丈夫なの?〜


日本という国は、莫大な借金を抱えているという話をよく耳にするけど大丈夫なの? 普通に考えたら、借金が増えれば増えるほど、自転車操業になって、結局は自己破産という道しか残されてないはず。しかもギリシャが破綻したというニュースも記憶に新しい。それでも日本は毎年、大量の借金=国債を発行している。赤字の財政を借金で穴埋めするなんて、自殺行為に思えてくるんだけど、ホントのところはどうなんだろう?


国債って何だ?
国債をひとことで表すと、「国の借金」だ。国を運営していくには予算が必要になる。それは、我々が日々の生活を送るためにお金が必要なのと同様だ。国の収入というのは、ほとんどが税金。ところが、税金収入だけでは国の運営に必要な予算が捻出できないのが現実。そこで、足りない分を埋めるために国債を発行=借金をするという流れになる。2010年度、日本の予算はおよそ92兆円に設定された。ところが、税金の収入はおよそ37兆円程度しかない。その他の収入(国による投資の運用益など)を加えても全体の48%、44兆円程度が足りないのである。つまり1年の間に、これだけの国債が発行されているわけだ。もちろん、すぐに返せば問題はないが、毎年のように支出が収入を上回っている状態。積もり積もった国債の総額は、今年度末におよそ862兆円にのぼるといわれている。日本という国は、これほどまでに莫大な借金を抱えているのである!


◇2010年度 国の予算の概要
一般会計歳出  ・【歳出】  ・一般会計 歳出総額 922.992億円 (100.0%)  ・社会保障 272.686億円 (29.5%)  ・公共事業 57.731億円 (6.3%)  ・文教及び科学振興 55.860億円 (6.1%)  ・防衛 47.903億円 (5.2%)  ・その他 100.363億円 (10.9%)  ・債務償還費 108.404億円 (11.7%)  ・利払費等 98.087億円 (10.6%)  ・地方交付税交付金等 174.777億円 (18.9%)  ・2008度決算不足補てん縁戻 7.182億円 (0.8%)  ・一般歳出 534.542億円 (57.9%)  ・国債費 206.491億円 (22.4%)


一般会計歳入  ・【歳入】  ・一般会計 歳入総額 922.992億円 (100.0%)  ・所得税 126.140億円 (13.7%)  ・法人税 59.530億円 (6.4%)  ・消費税 96.380億円 (10.4%)  ・その他 91.910億円 (10.0%)  ・建設国債 63.530億円 (6.9%)  ・特例国債 379.500億円 (41.1%)  ・その他収入 106.002億円 (11.5%)  ・租税 373.960億円 (40.5%)  ・公債金収入 443.030億円 (48.0%) →将来世代の税負担


国の歳出と歳入を比較するとこうなる。歳出の予算92兆円超に対し、税収ではその40%程度の37兆円程度しかまかなえない。結果、48%にものぼる44兆円を国債で補っているという状況だ。


◆借金大国、日本は大丈夫なのか!?
では、これだけ莫大な借金を抱えている日本は大丈夫なのか。借金増加の経緯を見ていこう。1960年代、日本は歳出と歳入のバランスがほぼ均等だった。ところが1970年代に起こったオイルショックによって、バランスが崩れてしまう。歳出が大きく上回り、穴埋めが必要になった。そこで特例法を制定し、国債を発行するようになったのである。いわゆる「特例国債赤字国債」と呼ばれるものだ。以来、日本は赤字国債の借金を返却するために、赤字国債を発行するという矛盾に陥ることになる。さらにバブルの崩壊を機に、一気に赤字国債が増加することになった。バブル絶頂だった1990年を境に、税収は下がる一方、反比例するように歳出は増える一方となり、現在まで続いているというわけだ。最大の問題がどこにあるかといえば、歳出と歳入のギャップだろう。このギャップを埋めないことには、ギリシャのような財政危機を迎えてもおかしくないといえる。とはいえ、ギリシャと日本には大きな違いがある。それは、日本にはまだ歳入を増やす余地が残されているという部分。その筆頭となるのが消費税だ。日本の消費税は、ヨーロッパの国々に比べて非常に安い。そういったことが評価され、日本国債の信用が下がらないという背景もある。ギリシャの経済危機は財政赤字が深刻化することで、投資家がギリシャ国債を買わなくなった。そのため、ギリシャは利率を上げ、何とか買ってもらおうとした。その利率に苦しめられる形で起こったというのがひとつの側面。日本の場合、国債の信用が落ちていない。それは強みのひとつでもあるのだ。


◇国の借金を家計に例えると…
日本の借金の状況を、一般家庭の家計簿に置き換えるとこんな感じ。完全に債務超過の状態だ。  ・<1平成22年度一般会計>  ・税収+税外収入 48.0兆円  ・一般会計歳出 92.3兆円  ・一般歳出 53.5兆円  ・地方交付税等 17.5兆円  ・国債費 20.6兆円  ・公債金収入=借金 44.3兆円  ・公債残高 637兆円


 ・<1か月分の家計にたとえた場合>  ・1世帯月収 40万円  ・必要経費総額 77万円  ・家計費 45万円  ・田舎への仕送り 15万円  ・ローン元利払 17万円  ・不足分=借金 37万円  ・ローン残高 6,370万円


◇歳出と歳入のギャップが問題を生む!
わが国の財政は歳出が歳入を上回る状況(財政赤字)。財政赤字分については、国債を発行する必要。「特例国債」がいわゆる「赤字国債」と呼ばれるもの。バブル崩壊後、飛躍的に発行数が増加しているのがわかる。


◆このまま借金が増え続けると、どうなる?
日本国債の信用度がまだまだ高いとはいえ、このままのペースで国債を発行し続ければいつかは返済不能に陥ってしまう。日本の現在の状況をカンタンにいえば、さまざまな金融機関からお金を借りている多重債務状態。借金を返すために新たな借金をしているという状況に変わりはない。企業がそのような状況になれば倒産、個人なら債務整理や自己破産という道を選ぶことになる。国を個人に置き換えて考えてみよう。多重債務状態に陥ってしまうと、借金返済におわれるようになり、生活費が足りなくなる。そうすると子どもへの教育費や親への資金援助も困難になる。さらに家具や家電、クルマやバイクといったものにもお金をかけられない。結果、さらなる借金の増加につながってしまうのだ。国の借金もそれほど大きな違いはない。もしもこのまま借金が増え続けると、教育や福祉に使える予算が少なくなる。さらに下水道や道路といったインフラ整備もできなくなる。借金は税金で返さなければならないため、税金は上昇していく。本来、税金は我々の生活をよくするために払うもの。それが借金を返済するため、という形に変化していくのである。国債発行の増加は、国民の生活に大きな影響を与えるということだけは忘れてはならないだろう。


財政赤字の負債→国債の信用が低くなる→予算の減少、消費の減少、投資の抑制→経済低迷、国民生活に影響


国債残高総額862兆円!! どうなる、日本!?


財務省国債業務課に聞く! 日本の財政の現状とこれから
今回の取材者その1 財務省理財局国債業務課 課長補佐 西川元衛さん


◇Q. 国債はどのようなときに発行されますか?
A.現在の状況をカンタンにいうと、歳出に対して歳入が圧倒的に足りていないということです。足りない部分を補うために国債を発行するわけですね。近年、特に少子高齢化の影響から社会保障費などの歳出が年々、大きくなっています。対して歳入のほうは、景気が低迷していることもあり、年々減少しています。歳出が大きくなるのに、歳入が少なくなっているため、国債の発行額も年々増えているという状況なんです。大切なのは、これらをどのように返済していくかということですが、現状では60年かけて返済するという計画で動いています。5年満期のものや10年満期のものなどさまざまな国債が発行されていますが、これらの国債が満期を迎えた際に、新たに「借換債」と呼ばれる国債を発行します。全体の額面を小さくすることで、少しずつ返済するという形に持っていく。これを繰り返すことで、60年で0にするという計画ですね。


◇Q. 国債の発行額が年々増えていますが、日本はどうなるのでしょうか?
A.結論から言えば、借金による経済危機といった脅威はしばらくは起こりません。理由として、3つのことがあげられます。ひとつ目は、日本の場合、経常収支で黒字が続いていること。経常収支というものをカンタンに説明しますと、海外に対してのさまざまな取引の中で、輸入よりも輸出が多く、支払よりも受け取りの額が大きかったということ。日本はそういった面で利益を上げています。ふたつ目が国民の金融資産が、概算で1450兆円あり、国債発行額を大きく上回っていること。最後に、増税の余地があるということです。これらのことが重なり、国債に対する信用度は諸外国に比べて非常に高いんですよね。それに加えて、日本国債はほとんどが国内で保有されています。そのためカンタンに投げ売ることもありませんし、利率を上げて購入者を募る必要もありません。そういった観点から日本国債は、非常に安定していると考えられています。


◇Q. 赤字なのに国債の評価は安定しているというのは矛盾しているように感じるのですが……?
A.国債にはふたつの側面があります。ひとつは財政の面から見た国債。財政的には「こんなに借金して大丈夫なの?」と感じるのは当然です。でも、国債には金融商品としての性格もあります。金融商品は購入した人に利益をもたらさなければなりませんから「その商品を運用するための資金があるのか」が重視されます。幸いにして、今の日本はまだ均衡が取れています。ただ、限界点は確実に存在します。国債がどんどん発行されれば、もしかすると限界点を突破してギリシャみたいなことが起こるかもしれません。だからこそ、中長期的な視点で国の財政を考え、しっかりとした基盤と財政規律を構築しなければいけないんです。国債を償却するために使われるのは税金ですから、国債発行の負担は次代に残すということにつながります。それを軽減するためにも、しっかりと考えていく必要があると思います。


国債金融商品として買いなのか、否か!?


国債を買うってどういうこと?
国債は、個人でも購入できる。仕組みとしては、国が発行する国債を銀行や証券会社といった金融機関が買い取る。それらの金融機関を窓口にして購入するという形だ。国債は借金なので当然利息をつけて返済しなければならない。この利息の存在によって、国債金融商品として認められているのだ。個人が買える国債にはさまざまな種類があり、もっとも手軽に買えるのが金融機関で売られている「個人向け国債」という商品。これには3年固定、5年固定、10年変動といった種類があり、それぞれ1万円単位で購入できる。3年固定のタイプは毎月、5年固定、10年変動タイプは年に4回発行されている。さらに平成19年10月から「新型窓口販売」という国債も登場した。こちらは満期が2年、5年、10年の固定金利型で毎月発行。ただし、購入金額は5万円からとなっている。「個人向け国債」はよりローリスク、「新型窓口販売」は多少リスクが増すという特徴がある。いずれの商品も、日本政府が発行するものだから、他の金融商品より安全性が高いのが特徴といえる。


国債は個人でもカンタンに買える金融商品。銀行や証券会社、郵便局などで気軽に購入できる。


国債が格付けされるって、何?
日本の国債は、海外の格付け会社から非常に高い評価を得ている安定性の高い金融商品なのだ!世界各地には、投資の対象に格付けを行う会社が存在する。これらの格付け会社はさまざまな角度から金融商品を検討し格付けしている。こういった格付けこそが、国と国債に対する信用をはかる目安として用いられる。ギリシャの財政危機も、格付け会社ギリシャ国債の格を下げたために、投資家の危機感が募ったという側面もある。さて、日本国債の格付けだが、意外なことに非常に高水準の信用を得ているのだ。借金大国といわれている日本だが、格付け会社の見方として、金融商品としての日本国債は、非常に高い信用を得ているということになる。


◇日本の国債はどんな性格を持っているのか?
日本の国債の最大の特徴として、およそ95%が国内で売買されているということがあげられる。国内での需要が高いため、利率は1%〜2%程度と他国に比べて金利を安く抑えることができる。このことが、日本国債の信用に好影響を与えているのだ。国内で国債を消費しているということは、国債を持っている人が国にお金を貸しているという形になる。そうすると、倒産などによって元本が返ってこなくなる事態だけは避けたいという意識が働き、金利に対する不満も大きくならない。このような状況が国にとって返済計画を立てやすくしている。さまざまな要素が絡み合い、日本国債の金融的価値は守られているのだ。


個人で買える国債の特徴を一覧にまとめてみた。変動金利型の10年満期のものでも最低金利0.05%は保証されているのだ!


◆自国内で95%が流通する日本国債は買いか!?
今回の取材者その2 証券外務員 川野慎吾さん


◇Q. 金融商品としての国債のメリットとデメリットを教えてください。
A.国債のメリットは、何といっても大きな変動がないということです。確かに利息も高くはありませんが、安定しておりリスクが非常に小さい。金融商品というよりは、貯金に近い感覚です。現在の日本国債は、アメリカのスタンダード&プアーズという格付け会社が最高位から2番目の「ダブルA」、ムーディーズも21段階中上位の「Aa2」に設定しています。これは、日本の国債の信用が非常に高いことを意味しています。利率が低いとはいえ、銀行に預けると利息はほぼ0.1%、国債なら1%後半〜2%くらいになります。安定感なども考慮に入れ、トータルで考えたとき、非常に優れた金融商品だと思います。


◇Q. 個人で買える国債にはどのようなものがあるんですか?
A.もっともメジャーなのは「個人向け国債」と呼ばれる商品です。最近では「新型窓口販売」が導入され、個人向け以外の国債を購入できるようになりました。国債には固定金利と変動金利がそれぞれの商品に設定されています。固定金利の商品は、どんなに世間の景気が悪くなっても利息に変動がありません。また、変動型金利の商品に関しても0.05%の最低保証があるため、金利がつかないことはありません。また「個人向け国債」は1万円単位から始められる上、銀行や証券会社など購入できる窓口もたくさんあるため、金融商品を買った経験がない方でも安心して購入できるようになっています。


◇Q. ズバリ! 国債は買いなんですか?
A.買いか否かでいえば、常に「買い」だと思います。株や外貨投資(FX)のようなリスクが本当に少ないのがその根拠ですね。その代わりリターンも少ないので、預貯金のようなものと考えたほうがいいでしょう。利息は半年ごとに確実にもらえますし、日本政府が発行しているものですから、元本割れの恐れも少ない。手堅い投資には最適な商品です。満期になったら必ず戻ってくる、一喜一憂せずにすむ金融商品、それが国債だと思いますね。


国債は、財政からの視点と投資からの視点で大きく性格が変わる!
日本は借金大国というイメージが根づいている。そのため、国債に対してネガティブなイメージを持つ人も多いのではないだろうか。確かに財政面でいえば、毎年多額の借金をし、その利息が膨らんでおり、国債を発行するのは決して歓迎されることではない。何しろ、歳出の2割以上が借金の返済や利息に使われているのが現状なのだ。しかし、投資という視点で見ると国債は非常に優れた金融商品だ。ローリスクで着実に運用したい人にとって、国債は非常に頼りになるものだ。


こういった国債と同じ性格を我々も持っているのかもしれない。一個人としての立ち位置と日本という国に住む日本人としての立ち位置である。一個人としての国債への接し方と日本人としての国債への接し方は当然変わってくる。借金は少ないほうがいいけれど、安全な投資先としての国債には魅力がある。それぞれの性格をよく知り、個人個人が国債とうまくつき合うことが大事だと考えるのだが、いかがだろうか。


取材・構成/ゆざわしん