グリベックの薬価や医療費について

グリベックの経済的負担を軽減したいと言っても、
医療費なので、この店で買えば安いとかある訳では無く手段は限られてきますが、
僕が知ってる限りの安く済ませる方法を掲載したいと思います。
ただ、既に知っている方も多い知識だと思いますので、
慢性骨髄性白血病(CML)と診断されたが、今は薬を飲めば良くなるらしい。
取りあえずホッ。…!!!…薬代高過ぎッ><;」的な感じで、
薬代に驚いてどうにかならないものかとネット検索された方向けに、
一度確認してみて欲しいことを纏めた記事です。
もし僕の知らない負担が軽くなる方法があれば、是非教えて下さい!(笑)
お医者さんって治すだけでこういった知識は教えてくれない医者も多いようで、
そういった主治医に見て貰ってる方には良い記事かも、、。

高額医療費制度


まずこちらは"マスト"です(笑)
日本国においては高額医療費制度というものがありますので、こちらを利用することになります。
一ヶ月につき医療費がある限度額以上に達した場合、その限度額以上が還付されるという制度です。
申請後およそ3〜4ヶ月後に還付されます。

自己負担限度額の計算式


被保険者自己負担限度額
上位所得者(標準報酬月額が53万円以上)150,000円 + (総医療費 - 500,000 円) × 1%
一般80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
低所得者(住民税非課税世帯)35,400円


平成22年2月28日現在は上記の計算式になります。
高齢者はまた計算式が変わってきますので、社会保険庁あたりのホームページをご覧下さい。
何だか複雑な式に見えますよね(笑)ですので、実際にグリベックの薬価にはめ込んで結果を導いてみます。
グリベックの薬価は一錠3,100円として一日4錠服用、また一般所得者として計算します。


80,100円 + ((((3,100円 × 4錠) × 30日) - 267,000円) × 0.01) = 81,150円


結果としては81,150円が自己負担限度額になります。
通常の3割負担の保険が効いて111,600円が支払う金額ですので、、


111,600円 - 81,150円 = 30,450円


30,450円が実際の還付額となります。

多数該当


でも月81,150円でも高いですよね。
しかし多数該当という制度?があり、こちらが適用されますともっと安くなります。
直近12ヶ月に3回以上高額医療費の支給を受けた場合、
4回目からは自己負担限度額が変わるというものです。
グリベックの場合現状としてはずっと続けて服用しなければなりませんので、
自然とこの条件に該当することになります。
一般所得者としては4回目以降44,400円が自己負担限度額となりますので、


111,600円 - 44,400円 = 67,200円


4回目以降は67,200円が実際の還付額となります。


被保険者自己負担限度額
上位所得者(標準報酬月額が53万円以上)83,400円
一般44,400円
低所得者(住民税非課税世帯)24,600円

まとめて処方


高額医療費制度の多数該当で負担は減ったというものの、まだまだ高いですよね。
そこで「まとめて処方」なんですが、病状が安定していることが条件となりますが、
薬を3ヶ月分などまとめて処方して貰うことにより負担が軽減されます。
医者によっては経済的負担の事を気にして貰えなかったりして、
病状が安定しているにも関わらずまとめて処方がされない場合もあると思います。
ですので、割と病状は安定してると思うけどまとめて処方はされていない、
という場合は一度主治医に相談してみると良いと思います。
因みに僕は慢性骨髄性白血病と診断された後、初め2週間分を処方して貰い、
グリベックが効くかどうか試してみて、効くようなので残りの2ヶ月2週分を処方して貰いました。
僕の主治医は患者への理解も高い方で、この方法は病名告知時に主治医から教えて貰いました。
何でか忘れてしまいましたが、他の先生には内緒ねって言われました。
しかしネットでもよく見かける方法ですし、主治医の名前を公開する訳でも無いので、掲載します(笑)

計算式


1ヶ月の負担額として計算する場合、
単純にまとめて処方して貰った月分で割れば1ヶ月分の負担額になります。
条件は前項と同様一般所得者として計算し、3ヶ月分処方の場合、、


80,100円 + ((((3,100円 × 4錠) × 90日) - 267,000円) × 0.01) = 88,590円
88,590円 ÷ 3 = 29,530円


29,530円が1ヶ月あたりの負担額になります。
4回目以降は多数該当で14,800円が1ヶ月あたりの負担額になります。

付加給付制度(一部負担還元金)


付加給付制度は限られた方になってしまうんですが、これが利用出来ますとかなり負担が楽になります。
この制度は健康保険組合が独自に設けている制度で、やってる組合とそうでない組合がありますので、
社会保険の方は一度組合に問い合わせてみると良いと思います。


付加給付制度では高額医療費制度で算定された自己負担限度額より、
更に限度額を抑え、その差分を組合が負担してくれるというものです。
限度額は組合によってマチマチだと思うんですが、
仮に1ヶ月の限度額が20,000円の場合にまとめて処方無しの場合、組合が61,150円負担してくれることになります。
これでまとめて処方だったらかなり楽になりますよ。
単純に20,000円を3ヶ月で割れば1ヶ月の負担額になりますので、


20,000円 ÷ 3 = 約6,667円


約6,667円が1ヶ月辺りの自己負担額となります。
この辺になるとかなり負担が軽減されるのでは無いでしょうか。

クレジットカード払い


前項までの方法よりは微々たるものですが、
一度に払う金額が大きいだけに、クレジットカードのキャッシュバックも大きいです。
最近はクレジットカードで処方箋を受け付けてくれる薬局も増えてきてますので、
現金よりクレジットカードで支払うと良いと思います。
ここでは特にオススメのクレジットカードをご紹介させて頂きます。
慢性骨髄性白血病と診断されたらこのクレジットカード!というくらいオススメ(笑)

ポーラスターカード(プラス)


ポーラスターカード(プラス)


※追記 2010年8月1日をもってポーラスターカードの新規受付は終了してしまいました。。


ポーラスターカードは嘗て最強とされていたP-Oneカードを発行している、
ポケットカード社が発行するクレジットカードです。
上記どちらのカードも請求時に1%オフされた金額が請求されるのですが、
P-Oneカードは過去改悪にて月150,000円まで、という規定になってしまいました。
ですがポーラスターカードは上限がありませんので、まとめて処方の場合は特に有利です。
更にポイントが付与され、P-Oneカードの2倍ポイントが付与されます。
1ポイントあたり3円(平成22年2月28日現在)です。
ポイントは1%オフ後の金額に対し算定され、1,000円につき2ポイント付与されます。

還元額計算式


ではまとめて処方でグリベックを購入した場合、
ポーラスターカードで現金よりどのくらい安く購入出来るか式に当てはめてみます。


◯請求時1%オフ
(3,100円 × 4錠 × 90日) × 0.3 = 334,800円(グリベック代)
334,800円 × 0.01 = 3,348円(還元金)


◯ポイント・キャッシュバック
334,800円 - 3,348円 = 331,452円(請求額)
(331,452円 ÷ 1,000) × 2 = 約663(ポイント)
663 × 3 = 1,989円


◯合計
3,348円 + 1,989円 = 5,337円


グリベックを現金では無くクレジットカードで購入するだけで、
5,337円も安くなる計算です。
例えば前項の付加給付制度と組み合わせて考えてみますと、、


20,000円 - 5,337円 = 14,663円
14,663円 ÷ 3 = 約4,888円


月4,888円でグリベックを購入出来ることになります。
結構安くなります。

デメリット


良い事ずくめのポーラスターカードですが、一応デメリットもあります。
良い事ばっかなんですが、会社としても結構無理してると思いますので、
ポケットカード社は「改悪」で有名です(笑)Googleの関連キーワードで改悪と出るくらい。
ですので、いつまでもこの還元の恩恵を受けれるとは限らないということです。
逆に言えば、今がチャンス!かもしれません。


もう一点、デメリットというか、ポーラスターカード(プラス)は年会費が掛かります。
年3,150円ですが、これはグリベックによるキャッシュバックで相殺出来ます。

単純比較


単純計算では年1,050,000円以上使う場合はP-Oneカード(ブルー)より、
ポーラスターカード(プラス)の方が得なはずです。
クレジットカードで年1,050,000円以上支払うって、
あんまり無い気がするんですが、
慢性骨髄性白血病である以上現状はその額以上支払うことになります。
このカードを利用することはCML患者の特権??かもしれません(笑)
日常の支出もこのカードで支払えば勿論このカード独自の高還元の恩恵を受けますので、
これを利用しない手はないでしょう、と個人的には思います。


しかし、ここまで書いておいて、実はまだ僕持ってません(笑)
先走ってP-Oneカードを作ってしまったのです。
知り合いに勧められて最近P-Oneカードを作ったのですが、
実は翌々調べると僕の場合はポーラスターカードの方が得じゃん、、と。
発送のメールが来ましたので、もう数日でポーラスターカードが届くと思います。

調剤のポイント付与


※2010/10/18追記


より負担が軽減出来る方法が出来ましたので、追記します。
2010/10より調剤のポイント付与が実質解禁されました。
グリベックは高額な薬ですので、これは利用したいところです。
下の画像はグリベックでポイント貰ったウエルシアのポイントカード。


ウエルシアのポイントカード


※2011/11/3追記 2012/4/1より調剤のポイントは禁止になります。
※2012/2/21追記 10月まで延長になったそうです。
※2012/9/15追記 半年先送りになったようです。

最後に


条件によっては高額で有名なグリベックも負担が軽くなるんですが、
皆同じ病気を治療しているのに人によっては月最低44,400円掛かる人もいれば、
5,000円程度で済む人もいるというのが、なんだか残念に思います。
分子標的治療という、新しい治療法に適した制度が出来ると嬉しいな。