SONAR開発終了とCubase 9.5について

トロールをしていたら、老舗DAWソフトのSONARが開発終了とのニュースがありました。音楽制作界隈は世間的にニッチだと思うのですが、急上昇キーワードに上がってました。


Cubas Pro 9のレビュー時にSONARのCAL機能に魅力を感じるから、移行を考えたことがある、なんて書いていました。移行していなくて良かったですね(笑) 有名なDAWでは唯一のスクリプトエンジンを持ったDAWだと思うのですが、開発終了とは残念です。


ギブソンに買収された時点でディスコンのフラグは立ってたのかもしれませんね。レスポールで有名なギブソンですが、ソフトウェア部門はあまり良い印象がありません。自分がPCを使って音楽制作を始める前にVisionというソフトがあったのですが、これをギブソンは買収して潰している過去があります。まぁビジネスなので致し方ない面もあるとは思います。


昨年、今後一切のアップグレード料が不要になるライフタイムアップデートなるキャンペーンをやっていたようですが、フラグが立っていたのではと思っちゃいますね。FL Studioみたいに初めからそう謳ってるなら分かるけど、突然そんなキャンペーンをされると…。。
DAWじゃないけど、レンタルサーバーロリポップが数年前に「チカッパプラン月額料金永年無料キャンペーン」なるキャンペーンをやっていました。この時もサービス終了するフラグでは、なんて事が言われてました。今のところ大丈夫そうだけど、どうなることやら。ただロリポップの場合は人数限定だから大丈夫かも。


自分がDAWを触るようになった頃の4大DAWと言えばCubaseDigital Performer、Logic、SONARといった印象でした。Pro ToolsもDAWですが、当時はもっとMIDIが貧弱であくまでレコーディングソフトといった感じだったと思います。その中の一つがなくなるのかと思うと時代を感じます。Digital PerformerWindows版も登場しましたね。

Cubase 9.5



先日Cubase 9.5が発表されました。マイナーアップデートとは思えない感じの内容で、いつもより価格がやや高いのはそのためでしょうか。今更ですが、序なので個人的に気になった機能などを書きたいと思います。

64 Bit浮動小数点演算


ようやくCubaseも64 Bit浮動小数点演算に対応したようです。今回のアップデートの目玉ですね。個人的には違いが分かる自信はありませんが、主観ではなくそれぞれ32 Bitと64 Bitで単純な同処理を行なって書き出したデータの周波数スペクトルが変わっている検証結果もあって、一応違いはあるようです。


先日AIFFに64 Bit Floatのデータがあることを知ったばかりです。内部処理だけでなくデータとしてバウンスも可能なのだろうか、と思いましたが、書き出せないようです。今後書き出せるようになるかもしれませんね。実際のところ音質の違いは分からないと思うけど、作業工程毎に32 Bit Floatで書き出し、読み込んでるので、せっかく64 Bitで処理してるのに引き継ぎの段階で32 Bitになってしまうのは精神的に気持ち悪いなぁ。まぁ実際のところは32 Bitのプラグインも介在して、全てが64 Bitになるのは当面先だと思います。

ダイレクト・オフライン・プロセッシング


これはやや自分が求めていたものと違いますが、これはこれで良いかも。


自分が求めていたものは、この機能のように各イベントに対しプラグイン処理を行える機能ですが、オフラインではなくオンラインであって欲しかったのです。Samplitudeなどにはこの機能があります。まぁこれはどちらかと言えばマスタリング的な概念だから、CubaseみたいなDAWには搭載されないのかも。


でもこれまでオーディオファイルにエフェクトを直掛けするときは、コンテキストメニューから、DBを使ってない白い昔のメニューから辿っていって掛ける感じなので、その辺の使い勝手が楽になるのであれば良いなと思います。

オートメーション機能の強化


これも良い改善点ですね。よくFL Studioのオートメーションは使いやすいと聞きますが、そんな感じで操作出来るようです。ベジェ曲線と言われているものだと思います。


あと、これはPro Toolsでは出来るのですが、点が書かれていない選択範囲をクイッと上げ下げしてボリューム操作、といったことが今までは出来なかったのです。これも出来るようになったようです。これが出来ると大変楽です。


今までこれと同じことをしようと思うと、ある範囲の左端と右端を、上げ下げしたいどちらかの方向にクリックして点を作って三角を作り、2個目の三角を作ったと同時に序に三角の頂上を選択し、キーボードのLEFTキーを2回押して2個前の点を選択し、2回連続でDELETEを押して内側の2点を削除し、台形の形になったら、この状態では右の角の点が選択されてるのでSHIFTを押しながらLEFTキーを押して頂上の2点を選択状態にし、情報ラインに設定したいデシベル数を入力してCTRLキーを押しながら決定して二つの頂上を同値にします。



文字で説明するとめちゃくちゃ分かりにくいですね(笑) 上記のように作ったりもしますが、面倒なので例えば同値にする処理は省いたりする場合もあります。あとこれはこれで面倒だけど、一個の三角が出来たら、一番右の点の位置を値が上下しないようCtrlを押しながら先程で言う右端側まで持っていって、出来た滑り台みたいな斜めの着地側の少し手前をクイッと持ち上げて上記と同じ形を作ったりもします。これも分かりにくい(笑)



どちらにしても面倒なので、選択範囲がそのまま上げ下げ出来るようになれば楽です。

個人的に欲しい機能


SONARのCALのような機能が欲しいというのはこれまでもよく書いてるので、それ以外で(笑)


エクセルでいう「形式を選択して貼り付け」みたいな機能が欲しいなと思ってます。例えばオーディオデータをコピーする際、ペーストする時現状はそのオーディオデータ本体だけしかペースト出来ないと思います。それは出来て当たり前のことですが、それだけではなく、例えばコピーしたオーディオのフェードイン・アウト、長さ、オフセットなどの情報をペースト出来たら便利だと思うのです。あるオーディオデータのフェードを別のオーディオデータに貼り付けたりする訳です。全く「形式を選択して貼り付け」と同じ概念です。


これはDAWソフトではありませんが、動画制作ソフトのPremiereやFinal Cut Proでは同じようなことが出来るんですね。他のDAWではどうなのかな。自分の知ってる限りでは他のDAWでもそのような機能はなかったと思うけど、あったら便利だと思うのにという機能の一つです。


あと、制御キーでズームツールが出せるよう設定出来たらなと思ってます。ズーム系の機能は色々ショートカットに割り当ててますが、ズームツールで任意の範囲も容易にズーム出来たらなと思ってます。しかしズームツールに切り替えるのが、ショートカットでも右クリックでも個人的には面倒なのです。例えばCTRL + ALTを押したり離したりすることで、ズームに切り替わったり元に戻ったりしたら良いのになと思います。確かこのようなことが出来るソフトがあった気がしますが、忘れました。