末梢血幹細胞移植の規制緩和

末梢血幹細胞移植が家族以外のドナーにも解禁されたというニュースです。
知り合いにドナーさんがいるんですが、患者の立場からすると、頭があがりません。
自分が健康だったとして、骨髄穿刺までして他人に提供する勇気はあるかと問われたら、答えられないです。
でもこの末梢血幹細胞移植というのは、読んで字のごとく末梢血から採取しますので、かなり負担が軽減されます。
するとドナーさんが増えることも想定されます。
遺伝子増幅による検査も末梢血で判断出来るようになってきてますし、高度医療の賜物です。
ところで、このニュース記事を見るとドナーさんから骨髄液を抜き取る場合、全身麻酔とあります。これは初めて知りました。
検査目的の骨髄穿刺より何らか負担が大きいのかもしれませんし、負担は同じだとしても、ドナーさんを増やすために負担を感じさせないようにする配慮なのかもしれません。



体に聞く骨髄移植

体に聞く骨髄移植

骨髄バンクが規制を緩和 白血病治療への新たな道が拓かれる


NEWS ポストセブン 12月2日(木)17時5分配信


 白血病再生不良性貧血などの治療には造血幹細胞移植が有効だ。骨髄バンクでは骨髄移植に加え、10月、血縁者間に限定されていた末梢血幹細胞移植が、家族以外のドナーにも解禁された。


 腕や大腿の静脈から幹細胞を採取し患者に移植する方法で、事前に幹細胞を増やす薬剤を投与するため数日間の入院が必要だが、骨髄移植のように全身麻酔の必要はなく、ドナーの負担も軽減される。


 白血病など血液のがんや再生不良性貧血の効果的治療として、造血幹細胞移植が実施される。移植には骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植があり、家族が直接患者に提供する以外は、ドナー(提供者)も患者も骨髄移植推進財団骨髄バンク)に登録し仲介してもらうのが一般的だ。


 移植には白血球の型(HLA)が一致する必要があるが、家族(兄弟・姉妹)間で、約25%、家族以外でも数百人から数万人に一人の確率で一致するため、骨髄バンクではドナーと患者、お互いの情報がわからないように配慮してマッチングしている。


 NTT東日本関東病院予防医学センターの浦部晶夫所長の話。


「骨髄移植は骨髄で作っている造血細胞を採取する方法です。しかし全身麻酔で腸骨に針を刺し、医師がかなり強力に吸引するため、ドナーに覚醒後痛みが出ることもあります。現在では家族がドナーの場合は、麻酔の必要のない末梢血幹細胞移植を実施する例が多くなっています」


(取材・構成/岩城レイ子)


週刊ポスト2010年12月10日号